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全国懇談会 イベントレビュー 7月12日

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2024年7月12日に行われた全国懇談会の内容と様子をレポートします。

開催日時  2024年7月12日
会  場  ホテルニューオータニ「鶴の間」
講  師  経済同友会代表幹事 新浪 剛史 氏
演  題  経済社会の議題解決に向けた令和モデル 「共助資本主義」への転換
基本概要

「時代の転換点」である今、どのように経済を成長させるか。そこに「共助資本主義」の提案をされる。これは、民間が主体となって、大胆に経済、社会構造を作り変えるということだ。

20年以上のデフレに適応した、「昭和・平成モデル」から、「令和モデル」への転換。これを軸に、今回の講演では早急に取り組まなければならない二つの課題について、展開する。一つ目は、労働力の供給不足の解消。二つ目は、日本のエネルギーのあり方とは何か。これらの打開策について、記述する。

①一つ目の課題まず、労働力の供給不足の解消には、生産性向上が不可欠であり、そのために「企業の新陳代謝」の促進、つまり生産性の高い企業に人が移って行くことが必要である。その流れに耐えられない企業、そして経営者は退出する必要がある。また、国のDX、GX(グリーントランスフォーメーション)など民間投資計画は100兆円を超えるが、人手不足により投資が上手く進んでいない。「働き方改革」により、一人当たりの労働時間は減少しているのにも関わらず、生産性が向上していないからだ。そのためには、賃金の上昇が不可欠である。

 では、労働力の供給不足の解消のために、目指すべき社会像とは何か。それは、「健康をベースに、年齢や性別問わず、働きたいだけ働けるwell-beingの高い社会の実現」である。その実現のためには、「年収の壁」問題の解消、健診の機能強化で「治療」から「予防」へのシフト、普通調整交付金の見直し、EBPMによる原稿の歳出の透明化と徹底的な見直しが必要となってくる。つまり国民に健康になってもらい、労働生産人口を増やす。そして、無駄に使われているお金を無くして、制度をより強化し、生涯年収が増えて、結果的に可処分所得を引き上げることで少子高齢化対策にもつながる。

 次に足元の深刻な人手不足の解消にも、目を向けなければならない。まずは、エッシェンシャルワーカーの確保だ。賃金を上げて、魅力度を向上していかなければならない。また、彼らも含めた全世代で、デジタルをもっと活用できるようにすべきだ。現代のデジタルはインターフェースがとても簡単なので、年齢問わず活用できる。そしてまさに人材の流動化が起こっている中で、外国人人材の受け入れについて我々は真面目に議論する必要がある。どうしても発生する社会的コストや、コミュニティ問題に、企業が中心となって更なるDEIの推進が求められる。

②二つ目の課題は、日本のエネルギーのあり方についてである。DXが進展する中で、エネルギーコストの重要性が高まっている、DXはエネルギーをかなり多く使うからだ。つまり、低廉で安定したエネルギーの確保は、競争力の源泉であり、恒常的賃上げに重要と
なってくる。エネルギー政策で失敗したドイツは、国外逃避の検討が広がりつつある。日本でそれが起こることは、なんとかして避けたいところである。

 また、
我々は中東にエネルギーを依存しているが、地政学上大きな不安が伴っている。解決のために脱炭素計画を進めたいが、それのためのエネルギーも足りない。我々は、どのようにエネルギー政策を考えていったらいいのか。日本の圧倒的な強みである「ものづくり」をもっと進展させていくことが、それの解決策になる。また、第六次エネルギー計画の実行は大変困難な見通しであった。その失敗の原因を検証し、不都合な真実に正面から向き合い、国民に率直に伝えることで第七次エネルギー計画を実現させなければならない。

 では、具体的に第六次エネルギー基本計画の課題を見ていく。2030年の政府の電源構成のうち、原子力を20~22%とする大変野心的な計画を立てた。そのためにマイナス21%の省エネを前提とした。それは、当時の経済状況を考えると仕方なかったとは言える
が、今では省エネというよりも、もっと電力の需要が増えるのである。
 
 また、この構成目標を達成するには、原発27基を設備利用率80%で稼働させる必要がある。しかし、その割合は実現が難しい。なぜなら、東日本大震災前ですら、原発設備利用率は71%であるからだ。80%を超えたのはバブル期の一部だけである。現状、2024年2月時点で再稼働済みは12基と、原子力規制委員会の許可が出ているものが5基。2030年にここから27基稼働まで増やすのは大変厳しい。
 
 ここまで、原子力の側面だけ見ていたが、再エネでも同様である。大規模炭素電源の開発から運転開始までは8年以上かかる。第六次エネルギー基本計画の課題をまとめると、この三つとなる。「蓋然性の低さ」「予見性の低さ」「具体性の低さ」。数値目標と
現状の大きな乖離、逆算不可能な目標、など問題が山ほどある。このままでは、日本の脱炭素電源が不足し、国内で脱炭素実現が困難になった産業は、脱炭素の量・価格ともに十分な海外に流出し、日本全体の空洞化、衰退の道を歩むことになる。
 
 では、第七次エネルギー基本計画の実現に向けて何をしたらいいのか。やれることを、やり抜くことを示さなければならない。蓋然性、予見性、具体性のある電源開発の目標値を示し、電源投資を決定できる環境を整え、拡大する脱炭素電源需要に応える。また、日本から製造業が退出するのを防ぐラストチャンスだという、強い危機感を持たなければならない。そこで、経済同友会は「活・原子力」という新しい考え方を提言する。安全性への最大配慮を前提に、タブーなき議論を行う。そして最終的には、SMR、高速増殖炉や核融合などの先端分野の次世代への投資を進めていく。
 
 「衰退か、挑戦か」日本は、技術の宝庫である。この強みを最大限に生かすために、この失われた30年、現状維持でことなきを得てしまったところから脱却しなければならない。
 
今、挑戦しなければ衰退していくのみである、この時代の転換点に今まで目を背けていた不都合な真実に真に向き合い、議論しなければならない。日本は挑戦できる国である、お金もある。ぜひ、挑戦していく「アニマルスピリッツ」を持ち、well-beingの高い社会
に変えていく、そのタイミングに来ている。
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